レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーの比較

おすすめ

2024/05/22

レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーの比較

エアコンプレッサーの代表的な圧縮方式として挙げられるのが、レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーです。

 

レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーは、それぞれ長所短所があるので状況にあわせて適切なタイプを選択する必要があります。

 

今回はレシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーの違いについて解説していきます。

 

 

レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーの特徴

レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーの特徴

 

レシプロコンプレッサーは往復式コンプレッサーとも呼ばれ、ピストンの往復運動によって空気を圧縮する装置です。
主にシリンダ、ピストン、吸入弁、および排出弁によって構成されています。
コンプレッサー内のピストンがシリンダ内で上下に運動し、外部からの空気を吸入し、一定の圧力まで圧縮してから、排出弁を介して吐出しています。

 

レシプロコンプレッサーには、給油式とオイルフリータイプがあります。給油式では、ピストンなどの摺動部品の潤滑のためにオイルが使用されます。給油式の場合、圧縮された空気中に微量のオイルが混入する可能性があります。一方でオイルフリータイプは、特殊な材質のピストン及びピストンリングを使用することで、潤滑油を使用せずに部品の摩耗を防いでいます。

 

レシプロコンプレッサーのメリット・デメリットは、以下のとおりです。

 

メリット デメリット
●他のタイプに比べて安価に購入できる
●用途にあわせてオイルフリーと給油式から選択できる
● 騒音と振動のレベルが高い

 

スクリューコンプレッサーとは、軸上に配置された2つの螺旋状のローターによって空気を圧縮するタイプのエアコンプレッサーです。

 

1つのローターは固定されており、もう1つのローターは回転することで空気を圧縮できるようになっています。
ローターが回転すると圧縮室の容積が変化し、その容積変化によって圧縮空気を生み出せるようになっています。

 

ローターは単純な回転運動をするため機器の動バランスが取りやすく、高速回転が可能です。
その結果として、スクリューコンプレッサーは小型でありながらも高圧の空気を効率よく送り出せるようになっています。
また、連続運転に適していて、安定した空気供給が必要な場合に有効です。

 

スクリューコンプレッサーのメリット・デメリットは、以下のとおりです。

 

メリット デメリット
●エネルギー効率に優れている
●騒音や振動が比較的小さい
●レシプロ式に比べてイニシャルコストが高額
●レシプロ式に比べてメンテナンスコストが高額

 

 

 

レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーの比較

レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーの比較

 

ここからは、レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーについて、項目別に比較していきます。

 

 

制御圧力

制御圧力は、レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーの間に大きな差異はありません。
標準的なものだと0.7~0.9MPa程度、中圧が必要な場合はレシプロコンプレッサになりますが、1.4MPaまで昇圧可能な機種もあります。

 

 

馬力

馬力は、スクリューコンプレッサーの方が大きなものを選択可能です。レシプロコンプレッサーは、大きいものでも20馬力程度ですが、スクリューコンプレッサーの場合は100馬力のものまであります。

 

 

デューティー比

エアコンプレッサーのデューティー比とは、コンプレッサーが全サイクル期間のうち圧縮空気を生成できる時間のことです。

 

たとえば、デューティー比が25%のコンプレッサーは、1分ごとに15秒、または1時間ごとに15分作動することを意味します。レシプロコンプレッサーは断続的に運転するように設計されているため、デューティー比は低くなるのです。
一方、スクリューコンプレッサーは、連続して圧縮空気を供給するように設計・製造されているため、ほとんどの場合でデューティー比は100%に近くなります。

 

 

イニシャルコスト

イニシャルコストは、一般的にスクリューコンプレッサーの方が大きくなります。レシプロコンプレッサーが高くても100~150万円程度であるのに対して、同じ馬力のスクリューコンプレッサーは200万円を超えるのが一般的です。
※いずれも工事費なしで製品単体の価格

 

 

メンテナンスコスト

メンテナンスコストは、一般的にスクリューコンプレッサーの方が大きくなります。

 

たとえば、給油式スクリューコンプレッサーのメンテナンスでは、レシプロ式でも必要となる吸い込みフィルタの清掃・交換、オイルの充填・効果に加えて、オイルフィルタの交換や電磁弁の交換などが必要となります。
また、オイルも高価な合成油を必要とするので、その分だけレシプロ式よりも手間とコストがかかってしまいます。

 

 

耐久性

設置環境、使用状況により異なりますが、レシプロコンプレッサの場合40~50年使用されているお客様もおられますが、負荷率が高いお客様の場合はスクリューコンプレッサをお勧め致します。但し、定期整備が必要になります。

 

出典:PISTON VERSUS ROTARY SCREW COMPRESSOR – AN HONEST COMPARISON

 

 

レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーはどちらがおすすめ?

レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーはどちらがおすすめ?

 

特に用途を限定せずに汎用的なコンプレッサーを導入したいのであれば、レシプロコンプレッサーがおすすめです。

 

レシプロコンプレッサーは、その汎用性の高さからさまざまな産業で利用されていて、たとえば一般的な工場用機械の動力源として用いられるほか、オイルフリータイプだと食品、医療、塗装など、クリーンな空気を必要とする用途で使われています。

 

一方でスクリューコンプレッサーも、工場における空気圧工具の動力源、自動生産ラインの計装用、レーザー加工機や工作機械などの動力源などで用いられていて、特に静音性が要求される場面ではおすすめとなっています。

 

 

エアコンプレッサーを選ぶならA&Cダイレクト

エアコンプレッサーを選ぶならA&Cダイレクト

 

レシプロコンプレッサーとスクリューコンプレッサーは、いずれもコンプレッサーの代表的な駆動方式ですが、用途にあわせて適切なタイプを選択する必要があります。

 

株式会社A&Cサービスが運営する通販サイト「A&Cダイレクト」では、100種類以上のレシプロコンプレッサーと60種類以上のスクリューコンプレッサーを取り扱っています。

 

コンプレッサー選びでお困りの方は、ぜひ「A&Cダイレクト」のサイトをご覧ください。ご不明な点があれば、「お問い合わせフォーム」または「お電話」にてお問い合わせいただければ、当社のスタッフがすぐに対応いたします。

 

A&Cダイレクトのコンプレッサーを見てみる

ピックアップ一覧へ