エアコンプレッサーを効率的に運用する方法

おすすめ

2024/05/22

エアコンプレッサーを効率的に運用する方法

エアコンプレッサーの効率は、工場の省エネを考える上で重要な要素となっています。

 

実際にエアコンプレッサーの消費電力が工場全体に占める割合は20~30%とされています
(出典:工場におけるコンプレッサー設備の省エネ方法)。

 

今回はエアコンプレッサーを効率的に運用するための方法について解説していきます。

 

 

エアコンプレッサーの効率に影響を及ぼす要素は?

エアコンプレッサーの効率に影響を及ぼす要素は?

 

エアコンプレッサーの効率は、さまざまな要因によって影響を受けますが、代表的なものとして以下3つが挙げられます。

 

●駆動方式
●馬力
●メンテナンス

 

駆動方式とは、圧縮空気を生成するための動作原理のことです。
代表的なエアコンプレッサーの駆動方式は、レシプロ式、スクリュー式、スクロール式、クロー式などです。駆動方式によって運転効率は異なり、たとえばレシプロ式に比べるとスクリュー式やスクロール式の方がエネルギー効率が高いことで知られています。

 

馬力とは、エアコンプレッサーを駆動する能力のことで、馬力が大きくなると吐出空気量が多くなります。馬力が大きいほど大きな電力が必要となるので、その分だけエネルギー効率が低下する可能性が高くなるのです。

 

効率を考えるのであれば、必要以上に馬力の大きなコンプレッサーを使用しないよう注意する必要があるでしょう。

 

メンテナンスも効率にとっては重要な要素です。適切なメンテナンスを実施できていれば、コンプレッサーは常に高いパフォーマンスを発揮できますが、メンテナンスが不十分だと効率が落ちてしまいます。

 

 

エアコンプレッサーの効率が落ちる要因は?

エアコンプレッサーの効率が落ちる要因は?

 

エアコンプレッサーの性能は、以下のような原因によって低下する可能性があります。

 

●質の悪い吸気: 吸入する空気が熱すぎたり、不純物を含んでいたり、湿度が高かったりすると、エアコンプレッサーの効率は著しく低下します。

 

●適切でない圧力での使用: エアコンプレッサーの圧力制御が適切でなかったり、常に高圧を供給する状態だったりすると、システムにかかる負担が大きくなり効率が低下します。

 

●用途に合わないエアコンプレッサーの利用: エアコンプレッサーが使用する用途に合った仕様でないと、コンプレッサーの効率や全体的な性能が著しく低下します。

 

●圧力損失: 配管内で圧力損失があると、エアコンプレッサーの効率は悪化します。不適切なサイズの配管、汚れたフィルター、長い配管距離等の要因で圧力損失が起こる可能性があります。

 

●不十分なメンテナンス:メンテナンスが十分でないと、コンプレッサーが早期に摩耗を起こし、コンプレッサーが十分な性能を発揮できなくなってしまいます。

 

 

エアコンプレッサーの効率を最大化する方法

エアコンプレッサーの効率を最大化する方法

 

コンプレッサーの効率を最大化するためのポイントは、以下3つです。

 

●無駄な運転をやめる
●吐出圧力を適正にする
●定期的にメンテナンスする

 

それぞれ詳細を見ていきましょう。

 

 

無駄な運転をやめる

無駄な運転をやめることは、効率化の第一歩です。

 

たとえば、複数のエアコンプレッサーを運転させていると、どうしてもコンプレッサーごとに稼働率がばらつくものです。

 

そこで、それぞれのコンプレッサーの運転状況を監視し、稼働率の低いコンプレッサーを特定してみましょう。稼働率の低いコンプレッサーの運転を止めるだけでも、コンプレッサーが消費する電力を削減できるようになるからです。
運転状況や使用頻度を特定した結果、複数のコンプレッサーを統合してコンプレッサーの数を減らせる可能性もあります。したがって、複数のコンプレッサーを運用しているなら、まずは無駄な運転をやめることから始めてみましょう。

 

無駄な運転をやめるという点では、コンプレッサーの運転サイクルを見直すことも有効です。たとえば、休憩時間にエアコンプレッサーを一時的に停止してみるのもよいでしょう。

 

 

吐出圧力を適正にする

エアコンプレッサーを効率的に運用する上では、適正な圧力で運転させることも重要です。エアコンプレッサーの吐出圧力が高くなればなるほど、コンプレッサーに負荷がかかるからです。

 

一般財団法人「省エネルギーセンター」は、吐出圧力を0.7MPaから0.6MPaに低下させることで、およそ8%の省エネが実現できるとしています。

 

出典:省エネルギーセンター「工場の省エネルギーガイドブック」コンプレッサー吐出圧力対消費電力(理論値)

 

もし、圧縮空気の設備が必要とする圧力よりも高い圧力が供給されている場合は、吐出圧力を適正にすることで効率化を促進できます。

 

 

定期的にメンテナンスする

効率化をするためには定期的なメンテナンスは不可欠です。エアコンプレッサーの効率は、部品の消耗によって徐々に低下していくからです。

 

定期的なメンテナンスで代表的なものとして、以下のことが挙げられます。

 

●潤滑油の補給:本体に定期的に潤滑油を補給することでコンプレッサーのパフォーマンスを維持できます。
●消耗部品の交換:経年劣化に弱い消耗部品を積極的に交換することで、少しでも新品に近い状態でコンプレッサーを運転できます。
●エア配管のチェック:エア配管の継ぎ手やパッキンなどからエア漏れが起きていると、必要な圧力を供給するのに余分なエネルギーが必要になります。継ぎ手やパッキンなどがある接続部分を中心に、定期的にエア漏れの点検をしましょう。

 

 

圧縮エア設備のベストソリューションサービスも検討しよう

圧縮エア設備のベストソリューションサービスも検討しよう

 

「エア配管が老朽化していて、圧力損失やエア漏れが多い」など、エア漏れでお悩みの方におすすめのサービスが、株式会社A&Cが提供している「圧縮エア設備のベストソリューションサービス」です。

 

「圧縮エア設備のベストソリューションサービス」では、エア漏れだけでなく以下のようなご要望にもお応えします。

 

●圧力損失の少ないループ配管化をしたい
●水質汚濁防止法に準拠するためにドレン排水の処理方法を見直したい
●省エネに取り組みたい
●圧縮エアをオイルフリー化したい

 

経験豊富な専門家が様々な計測機器を駆使してお客様の潜在的な課題を具体化し、改善提案してまいります。詳しくは、「圧縮エア設備のベストソリューションサービス」のページをご覧ください。

 

圧縮エア設備のベストソリューションサービス

ピックアップ一覧へ