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2024/10/16
エアコンプレッサーから水が出る理由【対応方法とあわせて解説】
エアコンプレッサーを使っていると水が排出されますが、水が排出される現象はコンプレッサーの動作原理によって解説できます。今回は、エアコンプレッサーから排出される水の生成原理、排出された水の特徴、そして適切な処理方法までを解説していきます。
エアコンプレッサーから水が出る理由は圧縮空気の特性による
エアコンプレッサーから水が出る現象は、空気圧縮のプロセスと密接に関係しています。大気中の空気には水分は温度や圧力によって気体(水蒸気)から液体(水)へと変化する性質があります。エアコンプレッサーが空気を吸い込み圧縮すると、空気の体積が小さくなる一方で、元々の空気の中に含まれていた水蒸気を保持できなくなります。水蒸気が保持できなくなると、水蒸気が凝結して液体の水が形成されるのです。
たとえば、1分間に1200リットルの空気を送り出すコンプレッサーの場合、1日あたり約24リットルもの水を吸い込むと言われています。コンプレッサーは空気を圧縮できても、水分は圧縮できないので、空気を1/8を圧縮すると、水分の密度は通常の8倍となります。
このようなプロセスを減ることで、エアコンプレッサーからは水が出てくるのです。このエアコンプレッサーから出てくる水のことをドレンと呼びます。
ドレンは上記のような科学的なプロセスによって生まれるものなので、エアコンプレッサーから水が排出されること自体は技術的な欠陥ではありません。しかし、排出されたドレンを適切に処理できなかったり、ドレンの量が多くなりすぎたりするとさまざまな問題を引き起こしてしまいます。
圧縮空気から出る水(ドレン)の特徴
不純物が含有されている:ドレンには水分の他に、微量の油分やさまざまな汚染物質が含まれています。これらの不純物は、コンプレッサーの種類によっても異なります。
たとえば、給油式コンプレッサーを使用する場合、潤滑油が微量にドレンの中に混入します。ドレンに含まれる汚染物質としては、塵や金属粒子など、コンプレッサー内部や空気中から来るものがあります。
このような油分や汚染物質が含まれたドレンを直接排出すると、環境に悪影響を及ぼす可能性があるため、油分を含むドレンは適切な処理が必要です。また、近年は企業コンプライアンスの観点から、排出したドレンが環境規制に抵触しないように留意することも重要となるでしょう。
またこのような水分を含んだまま圧縮空気を利用してしまうと、配管内や工具、機械設備に水分が溜まり、劣化や故障を促進させる原因にもなってしまいます。
ドレンを処理する方法
ドレンを処理する方法はさまざまですが、ここでは代表的な以下2つの機器を紹介します。
●エアドライヤー
●ドレンデストロイヤー
それぞれ詳細を解説していきます。
エアドライヤーの使用
エアドライヤーは、圧縮空気を乾燥させるための機器で、ドレンによる設備のトラブルを未然に防ぐための機器です。
エアドライヤーの方式には冷凍式と乾燥剤ヒートレス式があります。
冷凍式ドライヤ | 圧縮空気を冷却させて凝縮水を生み出すことで、空気中の水分を取り除くドライヤです。 圧縮空気は低温になると、凝縮水が発生するので、この段階で水を空気圧縮プロセスの外に排出できるようになります。 その後、空気を再加熱することで、圧縮空気は使用する機器にやさしい乾燥した圧縮空気へと生まれ変わるのです。 |
乾燥剤ヒートレス式ドライヤ | 乾燥剤を使用して圧縮空気から水分を除去するドライヤです。 ドライヤから出る熱風を乾燥剤に吹き付けて供給することで、圧縮空気内の水分を乾燥剤の表面に付着させます。 加熱源を必要とせずコンパクトにできるメリットがある一方で、 エアのロスが大きく省エネには向いていないというデメリットがあります。 |
ドレンデストロイヤーの使用
ドレンデストロイヤーとは、給油式エアコンプレッサーから排出される水(ドレン)を処理する装置です。
日本では水質汚濁防止法で油分濃度の排出基準値5ppm以下とされています。ドレンデストロイヤーには特殊なフィルタが使われているので、ドレンが排出基準値以下の油分濃度にできるように設計されています。
また、ドレンデストロイヤーの利用目的は環境規制の遵守だけではありません。ドレンデストロイヤーを用いることで、一般的な産業廃棄物に比べて処理費用を大幅に削減できるので、ランニングコストを削減することにも寄与できます。
ドレンデストロイヤーは、その機能と技術によってさまざまな種類に分類されます。主要な方式としては、「フィルタ方式」、「薬品方式」、「吸着分解式」などがあります。
フィルタ方式 | 物理的なフィルタを用いて油分を水から分離します。 |
薬品方式 | 化学反応を利用して油分を分離します。 |
吸着分解式 | フィルタにドレンを吸着させて分解させる方式です。 フクハラ社のドレンデストロイヤーに採用されている技術で、 エアコンプレッサー用として特別に設計されたフィルタを通して油分を効率的に除去する仕組みです。 |
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