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2024/11/29
クラスゼロの空気とは?
一部の製品の製造プロセスでは、品質管理の場面で空気中の不純物の管理が重要になります。その指標として利用されているのが、空気品質の標準です。今回は空気品質の国際基準について詳しく解説し、クラスゼロの空気の重要性について解説していきます。
空気品質の標準
空気中には目に見えない粒子や油分、水分が含まれており、これらの不純物は製造プロセスや製品に悪影響を与えることがあります。空気品質の標準は、このような不純物を適切に管理するための指標として機能しています。ここからは、空気品質を評価するために広く用いられている2つの主要な国際規格について説明します。
ISO 8573.1
ISO 8573.1は、圧縮空気の品質を評価するために国際的に認められている規格です。この規格は、空気中の汚染物質を3つの主要カテゴリーに分類し、それぞれの純度クラスを定義しています。具体的には、固形粒子、水分、油分の3つの汚染物質について、それぞれの含有量に基づいてクラスを設定しています。たとえば、クラス1では、0.1~0.5ミクロンの固形粒子が1立方メートルあたり2万個以下、0.5~1.0ミクロンの粒子が400個以下、1~5ミクロンの粒子が10個以下であることが求められます。これにより、使用している圧縮空気がどの程度クリーンであるかを客観的に評価可能です。
ISO 8573.1は特定の業界においても重要な基準となっていて、食品や医薬品の製造、電子機器の製造など、空気の品質が製品の品質に直結する分野で特に重視されています。この指標を用いることで、製造業者は自社の製品が国際的な品質基準を満たしていると証明できます。
ISO 12500
ISO 12500は、圧縮空気フィルターの性能を評価するためのもので、ISO 8573.1と密接に関連した規格です。この規格は、フィルターが空気中の汚染物質をどの程度効果的に除去できるかを評価するために使用されます。具体的には、油エアロゾルや固形粒子の除去能力に焦点を当てており、フィルターの性能を定量的に測定するための基準になっています。
ISO 12500に基づいてフィルターが評価されることで、そのフィルターがどれほど効率的に汚染物質を除去できるかがわかるので、ユーザーは適切なフィルターを選択することが可能です。
ISO 12500とISO 8573.1を組み合わせることで、圧縮空気システム全体の清浄度を厳密に評価できます。これにより、製品の品質向上、エアコンプレッサーの長寿命化、さらには運用コストの削減など、さまざまなメリットを享受できるのです。
クラスゼロの空気とは?
ISO 8573.1が定める各クラスの基準は以下のとおりです。
固体粒子
1m3あたりの最大粒子数 |
湿度および水分 | オイル | |||
Class | 0.1μm < d ≤ 0.5μm | 0.5μm < d ≤ 1.0μm | 1.0μm < d ≤ 5.0μm | 圧力露点℃ | 総濃度mg/m3 |
0 | 等級1より厳しい条件で設備の供給者が指定する | ||||
1 | ≤ 20,000 | ≤ 400 | ≤ 10 | ≤ -70 | ≤ 0.01 |
2 | ≤ 20,000 | ≤ 6,000 | ≤ 100 | ≤ -40 | ≤ 0.1 |
3 | – | ≤ 90,000 | ≤ 1,000 | ≤ -20 | ≤ 1 |
4 | – | – | ≤ 10,000 | ≤ +3 | ≤ 5 |
5 | – | – | ≤ 100,000 | ≤ +7 | > 5 |
6 | – | – | – | ≤ +10 | – |
クラスゼロの空気とは、圧縮空気の品質において最高水準の清浄度を示すものであり、業界で最も厳しい基準に適合した空気を指します。
言い換えると、クラスゼロとは非常に少量の固体粒子や油分しか含まれていない、ほぼ完全にクリーンな空気を提供していることを意味します。これは、製造過程での極めて厳しい品質管理が要求されることを示しています。
空気品質をクラスゼロにするメリット
クラスゼロの空気を使用することには、企業の製造プロセスや経営において多くのメリットがあります。
第一に、製品の品質向上が挙げられます。クラスゼロの空気は、ほとんど油分を含まないため、製造過程での汚染リスクを大幅に減少可能です。これにより、製品の信頼性が向上し、消費者に対して一貫した高品質な製品を提供できます。たとえば、電子機器の製造では、極小の油分や他の汚染物質が精密な回路や部品の不具合につながりますが、クラスゼロの空気を利用することで、リスクを最小化できます。
さらに、クラスゼロの空気は、衛生基準が厳しい食品や医薬品の分野にも利用可能です。これらの産業においては、空気品質の悪化が法規制に違反するリスクに直結するので、クラスゼロの空気を供給することに大きなメリットがあるのです。
次に、クラスゼロの空気を供給するエアコンプレッサーは、省メンテナンスにできる可能性も見逃せません。クラスゼロの空気を使用することで、フィルターの交換頻度やメンテナンスの手間を減らせるからです。
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