選定ポイント
2022/11/11
業務用エアコンプレッサーのタイプ別おすすめ商品
業務用エアコンプレッサーにはさまざまな種類があり、はじめて選定する方には「どれが自社にとって最適なのか、わからない」という方も少なくないでしょう。そこで、今回は業務用エアコンプレッサーを選ぶ際に考慮すべきポイントと、タイプ別のおすすめ商品を紹介していきます。
目次
業務用エアコンプレッサーの選び方
業務用エアコンプレッサーを選ぶ際に、特に重要となるのは、以下4つのポイントです。
- ● 圧縮方式
- ● 吐出空気量
- ● 吐出空気圧力
- ● 圧縮空気の種類
圧縮方式
業務用エアコンプレッサーの圧縮方式は、「レシプロ」「スクロール式」「スクリュー式」「クロー式」などのタイプに分類されます。
レシプロとは、シリンダ内部のピストンの往復運動によって圧縮室の容積を変化させることで、空気を圧縮するコンプレッサーです。音や振動の大きさが欠点ではあるものの、構造がシンプルなので、安価なモデルで採用されています。
スクロール式とは、インボリュート曲線で構成されたラップに仕切られた空間の容積変化により圧縮するコンプレッサーです。静音性に優れていて、小形クラスではもっとも効率の高いタイプとなっています。
スクリュー式とは、オス・メス一対二本のスクリューローターを回転させることで空気を圧縮するコンプレッサーで、工場におけるエアの供給源として広く普及しているタイプです。レシプロに比べると、騒音や振動が小さく、中形クラスのコンプレッサーの中では最も圧縮効率が高いことを特徴としています。
クロー式とは、オス・メスのローターが互いに非接触のまま回転し、ローターとハウジングの間にある空間の容積を変化させることで空気を圧縮するコンプレッサーです。
吐出空気量
吐出される空気量は、コンプレッサーに接続されるすべての機器が必要とする空気量の合計が目安になります。ただし、すべての機器を同時に使わないケースもありえるので、機器の利用実態にあわせて計算する必要があります。一方で、配管の途中で発生する空気漏れが起こる可能性も考えて、多少のバッファーも考慮に入れておく必要もあるでしょう。
吐出空気圧力
吐出空気圧力は、接続する機器の仕様によって変わってきます。まずは機器が必要とする空気圧を特定するようにしましょう。複数ある場合は、その中でも最も使用圧力の高いものに合わせるようにします。ただし、空気を供給する途中で起こる圧力損失も考慮に入れておきましょう。
圧縮空気の種類
コンプレッサーには、オイルミストなどの油分が含まれた空気を吐出するオイルフリー式と、オイルが含まれないエアを吐出する給油式があります。
食品、医療、半導体などクリーンな空気が求められるケースではオイルフリー式を選びます。
上記のようにクリーンなエアを必要としないケースであれば、給油式を選択するのがよいでしょう。コンプレッサー内の潤滑、冷却などの機能も果たすオイルを使うことから、オイルフリーよりも経済的になります。
【タイプ別】業務用エアコンプレッサーのおすすめ商品
ここからは、タイプ別におすすめの業務用エアコンプレッサーをご紹介します。
【安価】レシプロ
コストを最優先したいという方には、レシプロを選択するのがよいでしょう。ここでは、税込みで30万円台から40万円台で購入可能なレシプロのエアコンプレッサーを3つ紹介していきます。
|アネスト岩田製・給油式レシプロコンプレッサー
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | TLP37EG-10 | |
定格出力 | 3.7kW | |
制御圧力 | 0.8~1.0MPa | |
吐出空気量 | 400L/min | |
質量 | 154kg | |
騒音値 | 72dB(A) | |
空気タンク | 内蔵100L |
給油式の中では、リーズナブルなアネスト岩田製のエアコンプレッサーです。騒音や振動が気にならない環境で使うなら、安価に導入できるこちらのレシプロコンプレッサーがおすすめです。高い圧力を得意としていて、工場や自動車整備場などで好んで使われています。
|アネスト岩田製・オイルフリーレシプロコンプレッサー
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | TFP37CF-10 | |
定格出力 | 3.7kW | |
制御圧力 | 0.8~1.0MPa | |
吐出空気量 | 400L/min | |
質量 | 127kg | |
騒音値 | 78dB(A) | |
空気タンク | 内蔵100L |
オイルフリーの中では、リーズナブルなアネスト岩田製のエアコンプレッサーです。オイルフリーなので油分が含まれないきれいな空気を供給可能で、ドレンの処理も必要ありません。食品や農業分野での活用のほか、塗装を扱うときにも便利なレシプロコンプレッサーです。
|明治機械製作所製・給油式中圧コンプレッサー
製造元 | (株)明治機械製作所 | |
---|---|---|
メーカー型式 | GKH-37A | |
定格出力 | 3.7kW | |
制御圧力 | 1.18~1.37MPa | |
吐出空気量 | 390L/min | |
質量 | 237kg | |
騒音値 | 75dB(A) | |
空気タンク | 内蔵220L |
明治機械製作所の給油式レシプロコンプレッサーです。圧縮空気の使用状態に応じて連続運転と断続運転をワンタッチで切替できるようになっています。制御圧力は1.18~1.37MPaまで対応しているので、より高い圧力を供給したいときにおすすめのコンプレッサーです。
【防音】パッケージレシプロ
防音タイプを導入したいという方には、レシプロを防音箱で囲ったパッケージレシプロを選択しましょう。単体だと70dB(A)を超えるレシプロの騒音が、防音箱をつけることで60dB(A)未満におさえられます。ここでは、おすすめのパッケージレシプロを3つ紹介していきます。
|アネスト岩田製・給油式パッケージコンプレッサー
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | CLP75EF-8.5D | |
定格出力 | 7.5kW | |
制御圧力 | 0.7~0.85MPa | |
吐出空気量 | 845L/min | |
質量 | 395kg | |
騒音値 | 55dB(A) | |
空気タンク | 内蔵70L |
給油式レシプロと防音箱がセットになったパッケージコンプレッサーです。防音箱は、排熱や排気の流れ、振動を抑えるために専用で設計されているので、レシプロコンプレッサーのデメリットとなる大きな騒音を大幅に低減できます。
|アネスト岩田製・オイルフリーパッケージコンプレッサー
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | CFP37CF-8.5D | |
定格出力 | 3.7kW | |
制御圧力 | 0.7~0.85MPa | |
吐出空気量 | 375L/min | |
質量 | 182kg | |
騒音値 | 59dB(A) | |
空気タンク | 内蔵39L |
オイルフリーレシプロと防音箱がセットになったパッケージコンプレッサーです。給油式と同様に専用の防音箱によって騒音を大幅に低減可能です。内蔵タンクが防音箱のサイズに合わせて39Lとコンパクトなので、必要に応じて別置タンクの設置を検討してもよいでしょう。
|明治機械製作所製・給油式パッケージコンプレッサー
製造元 | (株)明治機械製作所 | |
---|---|---|
メーカー型式 | DPK-37D | |
定格出力 | 3.7kW | |
制御圧力 | 0.69~0.88MPa | |
吐出空気量 | 410L/min | |
質量 | 206kg | |
騒音値 | 56dB(A) | |
空気タンク | 内蔵39L |
明治機械製作所の給油式パッケージコンプレッサーです。パッケージ内における冷却風の流れの最適化を図り排気ファンを廃止、動力費を低減しています。また、使用空気量に応じて連続運転と断続運転を切り替えられるようになっています。
【静音】スクロール式
静音を重視したいなら、スクロール式のエアコンプレッサーを選択しましょう。ここでは、スクロール式のおすすめを3つ紹介していきます。
|アネスト岩田製・オイルフリースクロールコンプレッサー(3.7kW)
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | SLP-37EF | |
定格出力 | 3.7kW | |
制御圧力 | 0.65~0.8MPa | |
吐出空気量 | 425L/min | |
質量 | 139kg | |
騒音値 | 49dB(A) | |
空気タンク | 内蔵35L |
アネスト岩田のオイルフリースクロールコンプレッサーです。静音性能は他の追従を許さないレベルで、圧縮空気の品質(オイル総濃度)は、ドイツの国際的認証機関によって最高クラス(クラスゼロ)に位置づけられています。防錆タンクを標準搭載しているので、ドレンもクリーンに保てます。
|アネスト岩田製・オイルフリースクロールコンプレッサー(15kW)
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | SLP-150EGDM6 | |
定格出力 | 15kW | |
制御圧力 | 0.65~0.8MPa | |
吐出空気量 | 1680L/min | |
質量 | 575kg |
アネスト岩田のドライヤー一体型静音コンプレッサーの中で、定番となっているモデルです。SLP-37EFと同様にクラスゼロのクリーンエア性能を誇り、静音性能も他の追従を許しません。設置スペースを考慮したコンパクトなデザインも魅力です。また、複数の圧縮機を1台に内蔵して、使用する空気量に合わせて必要な分だけ自動で運転できるように制御しているので、省エネ性能の面でも優れています。
|アネスト岩田製・オイルフリースクロールコンプレッサー(22kW)
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | SLP-220EFD | |
定格出力 | 22kW | |
制御圧力 | 0.6~0.7MPa | |
吐出空気量 | 2700L/min | |
質量 | 883kg | |
騒音値 | 59dB(A) |
アネスト岩田のドライヤ一体型の静音コンプレッサーです。SLP-37EFと同様にクラスゼロのクリーンエア性能を誇り、静音性能も他の追従を許しません。また、SLP-150EGDM6と同様に複数の圧縮機で制御する省エネタイプになっています。
【耐久性・静音】スクリュー式
耐久性と静音性を重視したいなら、スクリュー式を選択しましょう。ここでは、スクリュー式のおすすめを4つ紹介していきます。
|アネスト岩田製・タンクマウント式スクリューコンプレッサー
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | LRST-1501 | |
定格出力 | 15kW | |
制御圧力 | 0.83~1.0MPa | |
吐出空気量 | 2.0m3 / min | |
質量 | 340kg | |
騒音値 | 65dB(A) |
タンクにマウントしたスクリュー式エアコンプレッサーです。エネルギー効率の向上を徹底的に追及し、省メンテナンスの設計になっています。温度耐性に優れているほか、簡単運転機能と気配り機能を搭載したお客様の生産性向上に貢献できるモデルです。
|アネスト岩田製・スクリューコンプレッサー
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | LRSV-370BD | |
定格出力 | 37kW | |
制御圧力 | 0.45~0.65MPa | |
吐出空気量 | 7.1m3 / min | |
質量 | 740kg | |
騒音値 | 64dB(A) |
アネスト岩田のオイル式スクリューコンプレッサーの新定番シリーズ「LRSVシリーズ」です。一体型のドライヤを標準搭載しているほか、設置スペースを考慮したコンパクトなデザインも魅力のモデルです。
|北越工業製・スクリューコンプレッサー
製造元 | 北越工業(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | SAS37VD | |
定格出力 | 37kW | |
制御圧力 | 0.5~0.9MPa | |
吐出空気量 | 7.65~6.2m3 / min | |
質量 | 820kg |
消費空気量に応じて回転速度を自動制御する省エネ「インバータ制御」のスクリューコンプレッサーです。たとえば、消費空気量が昼間に比べて少ない夜間だと、インバータ制御によりモーターの回転速度を低くして消費電力をおさえられます。
|北越工業製・屋外設置型スクリューコンプレッサー
製造元 | 北越工業(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | SMS37ESD | |
定格出力 | 37kW | |
制御圧力 | 0.7MPa | |
吐出空気量 | 6.9m3 / min | |
質量 | 1100kg |
生産工場やプラント設備などのエア源として最適なスクリューコンプレッサーです。吸入・排風ダクト構造を見直した低騒音エンクロージャ構造の採用により、低騒音化を実現しています。
【耐久性・静音】クロー式
耐久性と静音性を重視したい方には、クロー式も選択肢の1つとなります。ここでは、クロー式のおすすめを2つ紹介していきます。
|アネスト岩田製・オイルフリークローコンプレッサー(定速制御)
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | FRL-370BD | |
定格出力 | 37kW | |
制御圧力 | 0.7MPa | |
吐出空気量 | 【50Hz】6.0m3 / min【60Hz】5.8m3 / min | |
質量 | 1390kg |
アネスト岩田のクロー式コンプレッサーです。省エネ効果に優れたオイルフリーで高品質なエアを低コストで供給できるのが魅力の1つとなっています。本体故障による停止リスクを最小限に抑えた、長時間運転にも最適なモデルです。
|アネスト岩田製・オイルフリークローコンプレッサー(インバータ制御)
製造元 | アネスト岩田(株) | |
---|---|---|
メーカー型式 | FRV-370BD | |
定格出力 | 37kW | |
制御圧力 | 0.4~0.83MPa | |
吐出空気量 | 5.9m3 / min | |
質量 | 1570kg |
上記FRL-370BDと同様のクロー式コンプレッサーで、こちらはインバータ制御によるコンプレッサーになっています。
業務用エアコンプレッサーの選び方と人気商品をチェック
業務用エアコンプレッサーは、必要な空気量、空気圧、用途、使い方、設置する環境などから最適なタイプを選択する必要があります。エアコンプレッサーの通販サイト「A&Cダイレクト」では、200種類以上のエアコンプレッサーを取り扱っていて、さまざまなお客様のニーズに対応可能です。エアコンプレッサー選びでお困りの方は、ぜひ「A&Cダイレクト」のサイトをご覧ください。ご不明な点があれば、「お問い合わせフォーム」または「お電話」にてお問い合わせいただければ、当社のスタッフがすぐに対応いたします。