エアコンプレッサーの空気タンク（レシーバータンク）とは？役割・選び方を解説

エアコンプレッサーに付帯する設備として最もよく使われるものの1つが空気タンク（レシーバータンク）です。レシーバータンクを選定する際には、空気タンクに期待する役割や用途をよく理解しておく必要があるでしょう。今回は、エアコンプレッサーに使われる空気タンクの役割と選定のポイントなどをご紹介していきます。
 

レシーバータンクとは、圧縮空気が機械や配管などに入る前に、一時的に貯蔵するためのタンクのことです。レシーバータンクは、コンプレッサーと機械との間の緩衝材として機能し、圧縮空気の供給システムが効率的に動作するようにサポートしてくれます。用途にあわせて適切なサイズを選択する必要があります。
 
 

レシーバータンクがなくても圧縮空気を機能させることは可能です。しかし、レシーバータンクは、以下3つの役割を果たすことでより効率的な圧縮空気の供給をサポートしてくれます。
 

• ● コンプレッサーと機械の間のバッファー
• ● 脈動の防止
• ● エアコンプレッサーの保護

 
それぞれ詳細を解説していきます。
 
 

コンプレッサーと機械の間のバッファー

レシーバータンクは、コンプレッサーの稼働がピークになったときに、圧縮空気の供給を補うバッファーの役目を果たします。圧縮空気を利用する機械の稼働状況によっては、エアコンプレッサーが生み出す圧縮空気の量だけでは供給が不足してしまいます。レシーバータンクがあると、貯水池のような働きをすることで、供給する圧縮空気を一時的に補えるようになるのです。
 
 

脈動の防止

エアコンプレッサーから供給される圧縮空気は脈動を伴うことがあります。脈動が起こると圧縮空気の圧力や供給空気量が安定せず、トラブルの元となることもあるでしょう。レシーバータンクを設置することで、脈動をタンク内の空気がクッションのように受け止めてくれるので、機械に安定した圧縮空気を供給できるようになります。
 
 

エアコンプレッサーの保護

レシーバータンクを設置せずにエアコンプレッサーを稼働させると、インチングが起きることもあります。インチングとは、コンプレッサーが小刻みに発停を繰り返すことで、モータのON/OFFが頻繁に起こるようになることです。レシーバータンクがあっても、タンクの容量が小さいとインチングが起きやすくなります。インチングはコンプレッサーの故障リスクを高める現象として知られていて、レシーバータンクがあることでインチングを予防して、エアコンプレッサーを保護できるようになるのです。
 
 

レシーバータンクを選定する際には、考慮すべき点はサイズと使用圧力です。
 
レシーバータンクのサイズは、圧縮空気を利用する空気量によって決まってきます。サイズはL（リットル）で表されます。脈動が大きいレシプロコンプレッサーで使用する場合は、吐出空気量の25%ぐらいの容量がレシーバータンクの大きさの目安です。脈動の少ないスクリューコンプレッサーやスクロールコンプレッサーで使用する場合は、吐出空気量の15～20%ぐらいの容量がレシーバータンクの大きさの目安です。
 
レシーバータンクの最高使用圧力は、利用する圧縮空気の圧力にあわせるようにしましょう。レシーバータンクの最高使用圧力には、一般的に0.85MPa～1.4MPa程度のものまであります。
 
一般的に、サイズと使用圧力が大きくなるほど、レシーバータンクの重量は大きくなり、小さくなるほど、レシーバータンクの重量は小さくなります。
 
 

レシーバータンクに最適な容量を計算した事例をご紹介します。
 
 

レシプロコンプレッサーの場合

脈動の多いレシプロコンプレッサーだと、レシーバータンクの容量は25%が目安になります。たとえば10馬力(概略空気量1000～900L/min）のコンプレッサーの場合、
900×0.25=225
なので220L以上のタンクを選定してください。
 
 

レシーバータンクは、ピーク時の圧縮空気の供給サポートをするだけなく、コンプレッサーを長く使う上でも重要な役割を果たすものです。株式会社A&Cサービスが運営する通販サイト「A&Cダイレクト」では、40種類以上のレシーバータンクを取り扱っていて、さまざまなお客様のニーズに対応可能です。最適なレシーバータンクの選定でお困りの方は、ぜひ「A&Cダイレクト」のサイトをご覧ください。ご不明な点があれば、「お問い合わせフォーム」または「お電話」にてお問い合わせいただければ、当社のスタッフがすぐに対応いたします。

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