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2023/02/06

業務用エアコンプレッサーに必要となる日常点検

業務用コンプレッサーを長く効率的に使うのに欠かせないのがメンテナンスです。今回は、業務用エアコンプレッサーを日常的に点検するメリットと、主なメンテナンス部位について解説していきます。
 

エアコンプレッサーに必要となる予防メンテナンス

一般的にメンテナンスというと、故障時の修理や部品交換によって正常な動作に復旧させるためのメンテナンスを思い浮かべる方も多いことでしょう。しかし、エアコンプレッサーを効率的に運用するためには予防メンテナンスが重要となります。予防メンテナンスとは、機械が故障する前に問題を発見し、故障を未然に防ぐために実施するメンテナンスです。
 
万が一エアコンプレッサーが停止してしまうと、設備の操業に多大な影響を与えてしまいます。また故障から復旧するためのコストも多額になることもあるでしょう。コンプレッサーとその周辺機器を日常的に点検し、問題を未然に防ぎ最適な状態で運転できるようにしておくことで、メンテナンスのためのコストをトータルで軽減でき、予期せぬ故障に悩まされることも少なくなります。
 
たとえば、コンプレッサーのベルトに微小な亀裂があることに気づければ、その場でベルトを交換することで、将来ベルトが切れてコンプレッサーが停止し、復旧までの間に生産が停止してしまう事態を回避できます。
 
 

予防メンテナンスをする4つのメリット

人差し指を立てるビジネスマン
予防メンテナンスをするメリットは、以下4つです。
 

  • ● ダウンタイムを回避できる
  • ● 緊急性の高い修理を回避してコストを節約できる
  • ● 設備の寿命を向上させられる
  • ● 省エネを実現できる

 
それぞれ詳細を解説していきます。
 
 

ダウンタイムを回避できる

エアコンプレッサーが動作しなくなると、エアコンプレッサーとその周辺機器だけでなく、工場の稼働全体に影響が出る場合もあるでしょう。こうしたダウンタイムは大きな損失を生み出す問題となってしまいます。予防メンテナンスの実施には、ダウンタイムを回避して機械装置をスムーズかつ効率的に稼働できるメリットがあります。
 
 

緊急性の高い修理を回避してコストを節約できる

予防メンテナンスをすることで、部品故障リスクを軽減でき、結果としてコストを削減することにつながります。また、急な修理が発生すると、特急料金によって修理コストを増大させる原因にもなります。コストを削減できれば、新しい設備を導入して工場の生産性をより向上させたり、製品をより低価格にしたり、従業員の待遇を改善したりするなどの原資にすることも可能となるでしょう。
 
 

設備の寿命を向上させられる

予防メンテナンスを適切に行うことで、エアコンプレッサーをよりスムーズに運転させられて、余分な負荷がかかりにくくなるので、結果としてエアコンプレッサーの寿命を伸ばすことにつながります。寿命が延びれば買い替えのサイクルを長くできるので、コスト面での節約にもつながるでしょう。
 
 

省エネを実現できる

部品に余分な負荷がかからなくなりスムーズに運転できるようになれば、同じパワーを生み出すのに必要とされる供給エネルギーが少なくて済むようになります。エアコンプレッサー1台あたりのエネルギーロスはわずかであっても、工場全体でトータルすると大きなエネルギーロスになってしまいます。予防メンテナンスにより省エネが実現できれば、その分だけ工場のランニングコストの低減につながるのです。
 
 

日常のメンテナンスで注視すべき部位

ヘルメットをかぶる施工管理の男性
日々のメンテナンスの中で特に注視すべき部位は、以下2つです。
 

  • ● ドレンの点検
  • ● オイル量の点検
  • ● 吸込みフィルターの清掃

 
それぞれ詳細を解説していきます。
 
 

ドレンの点検

エアコンプレッサーでは、空気タンク、ドライヤー、配管などさまざまなところでドレンが発生します。ドレンの排出を怠ると、空気タンクの中にサビや腐食を生じたり、エアにドレンが混ざったりして、コンプレッサーが故障する原因にもなります。さらに部位別のドレンを詳細に見ていきましょう。
 
 

|空気タンクに発生するドレン

小さな空気タンクのあるコンプレッサーの場合、圧縮空気は大気から圧縮される過程で空気タンクを通ります。その際にドレンが発生し、空気タンクの中に溜まってしまいます。空気タンクの材質は鉄なのでドレンはサビや腐食の原因になります。ドレンを排出しないまま何年も使い続けると、空気タンクに穴が開くなどの損傷を招くこともあります。そのため空気タンクに発生するドレンは、毎日必ず排出するようにしましょう。
 
 

|ドライヤーのドレン

ドライヤーに発生したドレンは、自動でドレンを排出するドレントラップから排出します。しかしパッケージ式でドライヤーのついたコンプレッサーの場合は、空気タンクだけでなくドライヤーにも発生します。自動で排出されるドライヤーのドレンとは異なり、空気タンクに溜まったドレンは手動で排出するようにしましょう。
 
 

|給油式コンプレッサーのドレン

給油式コンプレッサーの場合、ドレンに油が含まれています。油を含んだドレンをそのまま排出すると、河川や土壌などの環境や、生態系に悪影響を与える可能性があります。ドレンに含まれた油は広範囲に薄く広がっていくので、たとえ少量の油であってもその影響を軽視できません。そのため、給油式コンプレッサーのドレンを処理する際には、水と油を分離してから廃棄するようにしましょう。

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オイル量の点検

給油式コンプレッサーを使っているなら、オイル量の確認も必須です。オイルが不足すると、金属部品同士が損傷したり、腐食したりするなどしてコンプレッサーが故障する原因になってしまうからです。オイルを切らさないように日常的に補給することはもちろん、日常の点検の中でオイルが減るスピードに変化がないかを確認しておきましょう。オイルの減りが通常よりも早い場合は、部品が消耗している可能性もあります。また、オイル量が十分であっても、古くなると粘度が低下して腐食の原因となる場合があります。オイルが古い場合は、量が十分にあっても交換するようにしましょう。
 
 

吸込みフィルターの清掃

吸込みフィルターは圧縮機本体に粉塵を吸込ませない働きと消音の役目をしており、粉塵が吸い込まれるとシリンダー、ピストンリングの異常摩耗、オイルの汚れ、摺動部のトラブルの原因になります。設置環境にもよりますが定期的(一般的には月一回程度)にエアブロー等の清掃を行うことで空気量減少や寿命低下を防ぎます。
 
 

まとめ

若い男性の技術者
エアコンプレッサーを効率的かつ長く利用するには日常的なメンテナンスが不可欠です。特に予防メンテナンスを丁寧に実施することで、予期せぬ故障のリスクを大幅に軽減し、想定外の操業停止やコストの発生をおさえることも可能となります。エアコンプレッサーを運用する際には、日常のメンテナンスを忘れないようにしましょう。なお、株式会社A&Cサービスでは、定期メンテナンスが付帯したエアコンプレッサーのサブスクリプションサービスを展開しています。「買うよりもお得にエアコンプレッサーを導入できる」と好評のサービスですので、日常のメンテナンスにお困りの事業者様、サブスクリプションサービスをぜひご検討ください。

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