
省エネ
2023/08/24
エアコンプレッサーのエア漏れはどのくらい問題?【対処法は?】
圧力が適切にコントロールできることは、エアコンプレッサーを利用する上で大事な要素の一つです。そのため、エア漏れが発生すると効率を著しく落としかねません。今回は、エアコンプレッサーのエア漏れに関して詳しく解説していきます。
エアコンプレッサーでエア漏れが起こるとどうなる?
エアコンプレッサーのエア漏れは、以下のような問題を引き起こしてしまいます。
- 効率が低下する
- 寿命が縮まる
効率が低下する
エア漏れによる最も直接的な影響はコンプレッサーの効率低下です。コンプレッサーが生成するエアの一部が漏れてしまうと、同じ圧力・空気量を維持するためにより多くのエネルギーを消費してしまうからです。エネルギーの消費が多くなると、コストを増大させる結果となり、エネルギーの消費は環境にも悪影響を及ぼしてしまいます。
一般財団法人省エネルギーセンターの試算によると、37kW(50馬力)コンプレッサーを利用しているときに、エアの漏れ率を20%から4%に改善することで、年間で54万円を削減でき、18tのCO2を減らせるとしています。
出典:一般財団法人省エネルギーセンター「工場の省エネルギーガイドブック」
寿命が縮まる
エア漏れが発生すると、コンプレッサーは常に最大限の性能で動作する必要があります。その結果、コンプレッサーの負荷が増大し、コンプレッサーの寿命が短縮される可能性があります。通常エアコンプレッサーの寿命は10年程度が期待できるものの、エア漏れを放置することでこの寿命が短くなることは十分にあり得るでしょう。
エア漏れはどこで起こる?検知する方法は?
エアコンプレッサーのエア漏れがよく起こる部位として、配管のほかに、弁、ゴムホースの接合部、電磁弁などがあります。これらの部位は、頻繁に動作するため、摩耗や劣化が早く進行してしまうのです。
エア漏れの主な原因は、緩みや劣化などです。エアコンプレッサーを長時間使用していると、環境の変化(温度や湿度の変化)により部品の収縮や膨張が繰り返し生じて、劣化や接続部の緩みを引き起こします。また、配管やホース、バルブの材質の劣化により、微細な亀裂や穴が開いてしまうことも原因となっています。
エア漏れの検知方法として代表的なのは、以下のような方法です。
- 人間の五感で確認する(耳で音を聞く、手をかざして確認する、石鹸水の泡やガスリークスプレーなどを使って目視で確認するなど)
- エアの消費量と時間を測定する
- 超音波検出器のような漏れ検知器を使う
これらの方法は一つまたは複数組み合わせれば、迅速かつ簡単にエア漏れの箇所を特定できるので、定期的な点検やメンテナンス時に利用されることが多いです。
なお漏れ検出の際にはノイズを避けるため、工場設備の運転停止時にエアコンプレッサーだけを動作させるのがおすすめです。また、空気配管の系統図をあらかじめ用意しておくと、計測箇所を一目でわかるようになります。
エア漏れへの対策
エアコンプレッサーの効率を最大化して、適切な寿命で使うためにもエア漏れには常に気を配る必要があります。
エア漏れを発見したときの初期対応
エア漏れを発見したときは、可能であれば速やかに処置をしましょう。たとえば、圧力計の付け根やカプラーの付け根といった接合部からのリークやドレンコックからのリークには、シールテープによる対処が有効です。接続部にシールテープで処置を施す際には、接合部を一度外してシールテープを巻き直せばよいでしょう。もしカプラー自体からリークしている場合は、カプラーを交換するのがおすすめです。
定期的な点検とメンテナンス
エア漏れが起きる前に予防することも大事です。予防策として有効なのが、定期的な点検やメンテナンスです。たとえば、半年に1回のペースで全体的な点検を行い、エア漏れのリスクがある部分の緩みや劣化を中心に確認することで、エア漏れのリスクを大幅に低減できます。
専門家の意見を取り入れる
「エア漏れがあるはずなのに、どこから漏れているかわからない」という場合は、専門業者に相談するのがおすすめです。特に、配管設備が広範囲に渡る場合や、エア漏れの規模が大きい場合、頻繁にエア漏れが発生する場合などは、専門家の診断を取り入れた方が根本的な解決策を見つけやすくなります。
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