窒素ガス発生装置とは?用途や種類を解説

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2024/02/06

窒素ガス発生装置とは?用途や種類を解説

窒素ガスは、多様な用途と高い安全性から、さまざまな分野で不可欠な役割を果たしています。その窒素ガスを発生させる装置が窒素ガス発生装置です。
 
今回は、窒素ガス発生装置について、その機能、利用方法、業界での応用例について掘り下げていきます。

 

窒素ガス発生装置とは?

窒素ガス発生装置とは、大気中の空気を処理して窒素ガス(N2)を抽出する装置です。こ特殊なフィルターや分離プロセスを経由することで、空気中の窒素分子を分離して、高純度の窒素ガスを生成できます。
 
窒素ガス発生装置のメリットは、窒素ガスを現場で生成可能なことです。従来の供給方法(たとえば高圧ボンベや液体窒素の配送)だと、コストがかかり物流上の制約も大きくなってしまいます。
 
しかし、窒素ガス発生装置を使えば、こうした制約を受けることなく、必要なときに必要な量だけ窒素ガスを供給できるようになります。そのため、安定的に供給でき、運用コストも大きく削減できるのです。

 

窒素ガス発生装置の用途

窒素ガス発生装置の用途

 

窒素ガス発生装置は、その高い安全性と効率性から、さまざまな産業分野で幅広く利用されています。代表的な産業は食品業界で、窒素ガスが品質管理をする上で重要な役割を果たしています。窒素ガスを使って食品を包装することで、食品の酸化を防ぎ賞味期限を延長することが可能になるのです。
 
ほかには、食用油の鮮度を維持する際にも、窒素ガスを封入することで油の酸化を遅らせて、製品の品質を保持できるようになります。
 
機械金属業界では、窒素ガスがレーザー加工機の無酸化切断や精密部品の深冷処理などに使用されています。特にレーザー切断では、窒素ガスを使用することで酸化による焼けや変色を防ぎ、より高品質な仕上がりを実現可能です。
 
精密部品の製造においては、窒素ガスによる深冷処理が部品の強度を向上させ、製品の信頼性を高める効果があります。
 
化学産業では、窒素ガスは樹脂の射出成形や製品の酸化防止と防爆に広く活用されています。
 
たとえば、射出成形プロセスでは窒素ガスを使用することで、製品の品質を向上させ、不良品の発生率を減少可能です。また、化学反応の安全性を高めるために、窒素ガスを使用して爆発や火災のリスクを低減することも可能です。

 

窒素ガス発生装置の種類

窒素ガス発生装置の種類

 

窒素ガス発生装置には主に以下2つの技術が用いられています。

  • 腹膜式(メンブレン)窒素ガス発生装置
  • 圧力スイング吸着(PSA)式窒素ガス発生装置

これらの技術は、それぞれ異なるメカニズムと特性を有し、用途に応じて選択されます。

 

膜式(メンブレン)窒素ガス発生装置

膜式窒素ガス発生装置は、選択性透過膜を利用して圧縮空気中の窒素を分離するタイプです。膜式では、空気が膜内の微細な「ストロー」を通過する際に、窒素と酸素が物理的な大きさの違いによって分離されます。

膜式装置は、通常、約90%から99.5%の純度の窒素を生成可能です。膜式窒素ガス発生装置は、そのシンプルな設計とメンテナンスが簡易であることから、小規模の窒素量を用いる用途や、エネルギー効率が重視される場面で好んで使われています。

 

圧力スイング吸着(PSA)式窒素ガス発生装置

PSA式窒素ガス発生装置は、酸素分子を吸着するCMSを使用して圧縮空気から窒素を分離するタイプです。PSA式では、空気中の酸素と他のガスが高圧下でCMSに吸着され、純度99.999%に達する高純度の窒素を得ることも可能です。

PSA式は、高い窒素純度が求められる用途に適しており、特に医療、実験室、食品・飲料加工、化学処理などで広く利用されています。ただし、PSA式は膜式に比べて初期投資が高くなるというデメリットがあります。

 

まとめ

まとめ

 

窒素ガス発生装置は、タイプごとにメリット・デメリットがあるので、用途に応じて適切なものを選択することが重要です。

なお、エアコンプレッサー関連の製品を取り扱う専門サイト「A&Cダイレクト」では、アネスト岩田製のPSA式窒素ガス発生装置を多数取り扱っています。

窒素ガス発生装置について、専門的なサポートが必要な場合は、A&Cダイレクトまでお問い合わせください。窒素ガス発生装置のプロがお客様のお悩みを解決いたします。
 
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