エアコンプレッサーから異音がする原因

エアコンプレッサーの異音の代表例として、以下2つが挙げられます。

• ● ガリガリとした異音
• ● キュルキュルとした異音

ガリガリとした異音が発生する原因として考えられるのが、内部のベアリングの破損です。レシプロ式コンプレッサーの場合は、ピストンロッド部分の金属が溶けたことが異音につながっている可能性もあります。

一方でキュルキュルとした異音が発生する原因として考えれるのが、ベルト自体の劣化です。また、プーリの摩耗によってベルトのテンションが弱くなっていることも原因としてありえます。ベルトに不具合があると、キュルキュルとした異音とともにゴムが焼けることも多いので、音と匂いの両方から原因を推定可能です。

ただし、メーカーやコンプレッサーのタイプによって正常時の音が異なるので、正常時の音との比較で異音かどうかを判別するようにしましょう。たとえば、スクリューコンプレッサーの場合は、高回転になることから甲高い音を出すのが通常なので、故障ではありません。

一方で、明らかに普段とは異なる聞きなれない音が発生しているなら、コンプレッサーの内部で何らかの不具合が発生していると考えてよいでしょう。その場合は、プロに点検を依頼してください。

異音以外にもあるエアコンプレッサー故障の予兆

エアコンプレッサーの故障の予兆には、異音以外もあります。

たとえば、以下のようなことは故障の予兆と考えられます。

• ● 異常振動がある
• ● 圧力の上昇がいつもより遅い
• ● オイルの消費がいつもより早い
• ● エアー内にドレン水がいつもより多い
• ● 吐出温度に異常がある（スクリューコンプレッサーの場合）

異常振動は、防振ゴムの劣化やモータの異常などエアコンプレッサー本体で何らかのトラブルがあるサインです。異常振動を放置すると、ベアリングが損傷しシャフトの加工などの大掛かりな修理が必要になる場合があります。

圧力の上昇がいつもより遅い場合は、吸込みフィルターの目詰まりが考えられます。エアフィルターが目詰まりは吐出空気量が低下をもたらし、その結果として圧力が十分に上がらなくなるからです。また、どこかでエア漏れが生じている可能性もあります。エア漏れは工場内の配管とエアコンプレッサー本体で起こるケースがあります。吐出バルブを閉じてエアコンプレッサーが上限圧力まで上昇しない場合は、エアコンプレッサーが内部でトラブルを起こしている可能性が高いです。

オイル消費が早い場合は、オイル漏れやオイルフィルターの目詰まりが考えられます。レシプロコンプレッサーの場合は、ピストンリングの摩耗やシリンダの損傷によってオイルの消費が早まることもあるでしょう。

圧縮エア内のドレン水が多くなっている場合は、ドライヤーの不調やドレントラップにおける排出不良が考えられます。

スクリューコンプレッサーの場合は、オイルが規定量まで充填されていなかったり、オイルフィルターの目詰まりなどで吐出温度が異常になることがあります。

これらの異常を感じた場合も、大事に至る前にプロに点検を依頼することがおすすめです。

エアコンプレッサーの故障を未然に防ぐ日常メンテナンス

エアコンプレッサーにトラブルを感じた場合にすぐに対応することは大事ですが、故障を未然に防ぐためには日常の予防メンテナンスも大事です。予防機械が故障する前に問題を発見し、故障を未然に防ぐために実施するメンテナンスです。

エアコンプレッサーの異音がなどが発生すると、設備を止めて点検する必要があるので、設備の操業にも影響を与えてしまいます。また点検修理のためのコストも必要になるでしょう。コンプレッサーとその周辺機器を日常的に点検して問題を未然に防ぐことで、最適な状態で運転できるようになり、メンテナンスのためのコストをトータルで軽減できるようになるのです。

予防メンテナンスの場合は、以下3つが特に注視すべき部位です。

• ● ドレンの点検
• ● オイル量の点検
• ● 吸込みフィルターの清掃

業務用エアコンプレッサーに必要となる日常点検

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